うんちを食べる犬

「うちの子、うんちを食べちゃうのよ」
という会話を良く聞きます。

うんちを食べる理由

犬がうんちを食べる理由は3つ。
① うんちがおいしいから
② 認知機能が落ちているから(認知症)
③ 健康な子のうんちで腸内細菌や消化酵素の原料を補っているから   
です。

うんちがおいしい?

① の「うんちがおいしい」とはどういうことか
良かれと思って飼い主があげているご飯が、その子の体に合わない場合、その子はそのご飯をうまく消化できませんので、栄養分がうんちの中にそのまま出ていってしまい、うんちがおいしくなります。ですから、消化不良を起こしている犬や猫は、自分のうんこを常に食べていたりします。

そのような子のうんちの回数は多く、1日に2回以上していたり、匂いが強かったり、柔らかめだったりします。通常、食事がその子の体に合っている場合、うんちの回数は犬であれば多くても、1日1回。猫であれば、多くても2日に1回になります。うんちの回数がそれ以上に多い場合、消化不良の可能性が高く、食事のメニューを見直していく必要があります。
(決して書き間違えではありません。それだけ便の回数は少ないのが正常なんです(笑))

逆に、食事がその子の体に合っていけば、その子はうんちを食べることはなくなり、栄養素が体に吸収できるようになり、健全な体を手に入れることが出来ます。

認知症?味覚障害?

② の「認知機能が落ちている(味覚障害含む)」とはどういうことか
認知機能が落ちる原因として、大きく2つあります。
それは、運動不足(単一な空間内で過ごす時間が多い)と、食事での良質なミネラルが摂取出来ていないということ。

認知症のご家族を抱えているご家庭や、高齢者住宅などで働いていたりする方であれば
よ~くご存知かと思いますが、基本的に認知機能が低下してくれば、「認知」が苦手になります。なので、「娘」を娘と認知しにくくなったり、「食事」を食事として認知することが苦手になってきたりします。その流れと同じく、「うんち」をうんちとして認知することが苦手になるので、そのうんちを食べてしまったり、うんちで遊んでしまったりします。よく高齢者住宅でありますよね、おばあちゃんの部屋に入ると、うんちが壁に塗りたくってあったり、うんちを泥団子のようにして遊んでいたり…そんな感じです。ですから、それらにならないうちに、もしくは、その兆候が出ているのなら、その対策としては、空間(刺激)の調整や、食事メニューに手を加えていく必要があります。

逆に言えば、 それは食事などを調整することによって、認知機能を改善したり、 もしくは予防したりすることが可能になります。手遅れなんてありません。

食糞健康法

③ 「健康な子のうんちで腸内細菌や消化酵素の原料を補っている」とはどういうことか
最先端医療でもあるように、健康な人の便をカプセルに入れ、飲ませることで治療するという方法はある程度有名になっているのではないでしょうか?テレビなどでも取り上げられているし。

食糞健康法と言う人もいます。それは、動物でも同じことです。健康な動物の便の中には腸内細菌の残骸や、生成物質が多量にありますので、自分自身にそれが足りない場合、自分でそれを補う行動をとります。同居犬や、同居猫がいる場合、どちらかが、どちらかの子のうんちを食べてしまうという話はそういうことです。

まとめ

今回は、うんちを食べる動物たちが、なぜそのような行動をするのか、についてお話しました。誰も、何の理由もなくうんちを食べているわけではないので、理由を探り治療してあげるのが一番だと思っています。

うんちを食べ続けることが病態を生むわけではなく、うんちを食べないといけないくらい
自分がお腹がすいて、自分のうんちや、同居犬のうんちに手を出してしまうような状態…ちょっと改善させてあげませんか?

ということで、今日もおかげさまでサニー校長でした。