飼い主さんと獣医師が動物病院で気を付けること

動物の治療をするときに、動物病院って行きますよね?動物病院に行った時に獣医さんとは手を取り合って治療法を見つけていくための方法についてお話させていただきます。

言い方を変えれば、「飼い主さんと獣医さんが上手くやっていくコツ」みたいなことについてお話しさせていただきます。

獣医師=権威

まず、飼い主さんが獣医さんに対して、どういった印象を持っていますか?

例えば獣医さん自体は白衣を着ていたり、今はスクラブと言われる、青だとか緑だとか紫だとかのユニフォームを着ていることが多いと思いますけど、そういった服装をしている専門家に対して、どういったことを感じていますか?

「ちょっと怖いなぁ」とか、「ちょっとビクビクしちゃう」とか、「ちょっと緊張しちゃう」という方が多いのかなと思います。それらをひとくくりにしてしまうと、「その存在に対しての権威を感じてしまう」ってことだと思うんです。

動物病院に行くと、飼い主さんと獣医さんの間に無意識でそのような感情が生まれるような状況になります。

そのような環境つまり、「権威」 というものを目の前に魅せられた場合にお互いでどういうような影響を与え合うのか、どういうような行動をとる流れが生じるのかについて考えてみたいと思います。

動物病院とミルグラム実験

ルグラム実験」という実験が有ります。

ぜひ、興味ある方は調べてみてくださいね。
ナチスドイツ、ホロコーストでユダヤ人の大量虐殺が行われました。その大量虐殺の責任者は、アイヒマンという方。実際はどういう人間だったのか?ということを事情聴取した結果、、、「すごく凡庸な人」だったんですね。

「すごく普通の人」だったんですね。凶暴で、根悪で、犯罪を繰り返していてという人が大量虐殺を行うのならば、わかりやすいですけど、「なぜ、こんな人が?」ということに疑問を持ったミルグラム博士は、1963年にミルグラム実験を行い、調べてみたんです。人間の心のからくりを。

実際にはどういう実験か?っていうと、まず専門家役(白衣を着た医者役)、生徒役、教師役を決める。その際に、テレビの「モニタリング」みたいなもので、専門家役と生徒役の人達は仕掛け人です。教師役の人のみが被験者です。これらがうまく決まるようにくじで決めます。教師側の人間は、ある質問を生徒役にします。生徒役の人は電気椅子に座ってます。その電気椅子に電流を流すスイッチを教師側の人間は持っているという状況です。

その生徒役の人間がその質問に不正解の場合、教師役の人は生徒役の人に電流を流していきます。不正解が続けば続くほど、電流が大きくなり頻度が上がっていきます。生徒側と専門家側は仕掛人なので、実際に電流は流れていないのですが、叫びます、痛みもない苦しみます。

その結果教師側の人間は、「もうやめたい」「もうやめにしません」という提案をしてきます。

ここら辺までは想像ができますよね。目の前で叫びもだい苦しんでいる人たちがいれば、しかもそれを自分がやっている状況であれば、自分の行動を止めようとするのは当たり前のところですから。

しかしこの実験では、もうやめたいと提案したとしても、専門家側からやめないように促されます。

「見た目では苦しんでいるように見えますが、実際はまだまだ大丈夫です」と言った専門的な見解を 伝えられます。

その結果、教師側の人間がどのように行動していくのか?皆さんはどう思いますか?

ミルグラム実験は、今までの歴史の中で何度も繰り返され、何度も検証が行われている実験なのですが、それらの研究をトータル的に見てみると、 6割から9割の教師役の人間が、そのスイッチを、最後のボルト、450ボルト3回連続とか、そういうような激しいところまで押し続けるという結果が得られたんですね。

言い方を変えて、要約すると、自分が、「何かおかしいな」「なんか、これさすがに止めた方がいいんじゃね」って思ったことでも、専門家が言ったこと、白衣を着た専門家が言ったことによって、その自分の中の意見を覆すことが可能だってことですね。

いつの間にか。怖いね。

これは動物病院で、患者と専門家の間で起こり得るということを意味しているんですね。

「お互いにそういう影響を受けるということを意識していないと危ないよ」ってことですね。

それを踏まえた上で獣医さんと飼い主さんが気を付けなければいけないこと、 獣医さんと飼い主さんが仲良く目の前の動物の治療を決めて、進んでいくためには、どういう風にしたらいいのか?何に気をつけたらいいのか?

まとめと対策

専門家がやらなければいけないことは「私専門家として、言いすぎてませんか?」「私を目の前にして、緊張しすぎてませんか?」とか、「言いたいこと言えてます?」「他に何かありますか?」といったことを常に言葉として発信するとか、そういう雰囲気にしておくとかがすごく大切になりますよね。

サニー校長も含めて。自分にも言い聞かせてますからね。

飼い主さん側としては、「先生、こうこう思うんだけど」とか「今先生がやろうとしてることに、疑問が残るんですけど、もうちょっと説明してもらっていいですか?」「なんかおかしくないですか?」「なんか矛盾してないですか?」ということを言葉として発信するとか、 そういう雰囲気を出しておくということがとても大切になりませんね。

人間同士のコミュニケーションなので、なかなか難しいところではありますけども、まず実行してみるという所よりは、専門家と飼い主の間では、このような関係が作られやすいという所をまず知ってみるところから始めてもらえればいいかなと思います。

それでは、サニーズアニマルアカデミー、サニー校長でした。

今日も 素敵な一日をお送りください。