犬のてんかんの原因と治療

Sunny’s Animal Clinicでは抗てんかん薬はめったなことが無ければ使わない。
嫌味に聞こえるかもしれないが、食事療法で治ってしまうから、使う必要もないし、副作用のことを考えるとなるべく使いたくないと思っています。

ですが、一般的に多くの病院で行われている治療の現状は以下↓に示すようなものである。

犬のてんかん(一般論)

①てんかんの管理において、根本原因を治療することが可能ならばその治療を行うが、それに加え、AEDs※1も必要不可欠であると思われる。
※1 「AEDs」とは、「抗てんかん薬」のこと
なぜか…

②臨床の現場では「特発性※2てんかん」という「原因不明なてんかん」という診断がつく子が一番多く、一般的であるからである。
※2「特発性」とは、「原因わからず…(すいません)」という用語を医学用語としてかっこよく言った用語である。

③であるから、犬の発作の根治はしばしば達成できない。そのうえで、現実的なゴールを設定するのであれば、抗てんかん薬の副作用をなるべく抑えて、てんかん発作の頻度を減少させることが目的となる。

④だがしかし、いまだに「犬におけるAEDsの選択に関するエビデンスに基づいたガイドラインは存在しない」という状態である。ケースバイケースで処方は行われる。

⑤今まででいろいろなAEDsが作られ、使われている。
各薬剤の副作用に関しては文章に書いてあるので、参考にしてもらいたい。
たくさんありますので気合を入れて読んでみてください。薬剤名を獣医師に聴き、読んでみてください。

特に日本で多く使われている薬剤を1つ(ゾニサミド)紹介します。
【ゾニサミド】
ⅰ 商品名は「コン〇ーブ」「エグゼ〇ラン」
ⅱ 日本外での使用はほとんどない。2つの研究によりゾニサミドは評価されたが、
今のところそれだけでは「エビデンス不足※」という状況
※エビデンスとは;証拠とか、根拠、理由とかの意味。なので、エビデンス不足とは、「根拠が不足している」ということ。

ⅲ 副作用…食欲不振、嘔吐、胃出血、運動障害、肝毒性、腎毒性、
貧血、白血球減少、免疫抑制、皮膚炎、アルブミン減少

⑥AEDs治療ののちに薬を飲まなくても良くなる率は15%~30%である

てんかんには原因がある

今、治療法を議論する際に欠如しているのが「何が原因なのか?」ということだと思います。
水道管の破裂でもそうだし、自転車のパンクもそうですが、水道管のどこから水が漏れているのか、自転車のチューブのどこから空気が漏れているのか…はたまた、その水道管や自転車のチューブの材質や、劣化状態、使用頻度、使用場所などを考えなければ、破裂や、パンクは終わらない。

ですから、犬のてんかんを治療しようとするときに「なんでてんかんが起きているのか?」「てんかんの原因は何なんだ?」という議論が少ない気がします。

基本的に、抗てんかん薬(AEDs)を投与することが前提になるし、議論の的と言えば、「投与方法をどうするか」ということ。大事なのはわかりますが、そもそも、原因を治療し、治してしまえば抗てんかん薬の投与方法なんて考えなくてもよくなりますよね?

実際、Sunny’s Animal Clinicの患者さんで抗てんかん薬を使用し続ける患者さんは10%にも満たないという現状を見ていると…多くの獣医現場での治療や、そこでの獣医師それぞれの努力や考察を疑ってしまいます。各専門家の治療法を飼い主さんが選び、やっているのでそこにとやかく言うものではないのはわかっているのですが…。

てんかんの治療

てんかんはそもそもお薬でどうにか直すような病気ではなくて、てんかんが起きる原因に対してアプローチして、最終的にてんかん発作という症状をなくしていくものです。

たしかに、一見、てんかんの「根本治療」は難しいと思われがちです。
治療に着た多くの患者さんがよく言う言葉は「本当にてんかんって治るんですね」です。
てんかんが治ったとしても、「てんかんは治らない」ということを多くの専門家から教えられている方々は、てんかんが薬を使わず治った時に、その現実を受け入れることにも戸惑ってしまうというのが今の動物業界の現状です。 

しかし現状、多くの飼い主さんが食事療法でてんかん発作を治しています。発作をゼロにしています。てんかん発作は治ります。誰が何と言おうと、この意見を変えるつもりはありません。だってこの意見は、目の前で飼い主さんが食事療法をやって実際に見せてくれたことだから。

まとめ

今日はてんかんの原因と治療に関して少しお話しさせていただきました。
てんかんという病気は薬で治すようなものではなく、食事療法で治すものということです。
だがしかしそこには、専門家と飼い主さんのきちんとした協力体制が必要だっていうことです。逆に言えば飼い主さんと専門家が対等な立場で協力し合うことができ、目の前の動物の生活環境の改善を話し合うことができれば、てんかんとはサヨナラできるということです。

獣医師の努力と、飼い主さんの努力で必ず成功するものです。今一度、行っているてんかん治療を見直してもらいたいと切に思います。

それでは今日もおかげさまでサニー校長でした(^^)
ステキな一日をお送りください♪